私の治療院には、外反母趾がとことん酷くなるまで放っておいて、どうしようもない状態でお越しになる方が、かなりの数おられます。
それらの方が口々に言うのは「どれぐらいからが外反母趾か、わからなかったから」ということ。
このページでは外反母趾を写真画像で各程度に分けて、詳しくご紹介していきます。
外反母趾とはどんな状態のことか
まず外反母趾についてですが、親指の付け根辺りが横に広がり、出っ張ってしまった状態。
痛みは出ない方もおられます(痛みは無くても、その影響はあちこちに出ているので要注意です)
あなたが外反母趾かどうかは以下の様な基準で判断でき、またその程度についても以下の様なチェックでわかります。
外反母趾の基準とセルフチェック
実は外反母趾は、早期に改善に手を付ければ、治すのはそれほど難しくはない病気です。
なので皆さんがご自分で、このようなチェックを定期的に行ってくださっていれば、どれだけ多くの方が外反母趾にならずに済むかわからないほどです。
ということもあって、私はこの自宅でできる検査法を、広めようと力を入れています。
また更に身近になるよう、スマホで写真を撮って線を引くだけで測定できる無料のWEBサービスも開発しました。
下のバナーをクリックすればすぐに始められますので、お試しください。
写真で見てわかる、外反母趾の程度
しかしそれでも世の中の多くの検査と同じように、やってみるのがめんどくさかったり、外反母趾だとわかるのが怖かったりして、広まっていないのが現状。
なのでそんな方のために、私の治療院にお越しの方にご協力いただいて、どのぐらいの見た目で外反母趾なのかを、写真画像でご紹介しようと考えました。
これらの写真とご自分の足を見比べてみることで、あなたの足の状態の見当をつけることができるでしょう。
外反母趾予備軍(~14度)
この方で母趾角度は13度の、外反母趾目前の予備軍です。
痛みなどは何もありませんが、姿勢は反り腰+猫背で、かなり悪かったです。
実はそれはこの外反母趾になりかけていることによる、足元の不安定のバランスを取ろうとしてのもの。
外反母趾・軽度(15度~19度)
この方は母趾角度17度、軽度と中程度の境ぐらいです。
靴に擦れて赤くなっているので、念のため、、、とお越しになりました。
足は疲れやすくむくみやすいそうですが、それがまさか外反母趾が原因だとは思っていなかったそうです。
これぐらいになってやっと気にしだす方が多いですが、ここで「もう少し様子を見て」と放っておくと、かなり治しづらくなります。
外反母趾・中程度(20度~39度)
この方で母趾角度は32度、中程度の後半に差し掛かったくらいです。
合う靴を探すのが大変になってお越しになりました。
患部に痛みは無いものの(外反母趾は角度が酷くなっても痛くない場合も良くあります)、膝は長年痛かったっそうです。
その膝の痛みは、元の原因は実は外反母趾。
足が横に広がり、支える力が弱くなり、そのツケが膝に来ているのです。
これぐらいまでなら多少時間はかかるものの、まだ手術を必要とせず正常値(15度以下)に戻ることがギリギリ可能です。
外反母趾・重度(40度~)
この方で母趾角度45度。重度の外反母趾です。
残念ながらここまで来てしまうと、正常値にまではまず戻せません。
それでも中程度前半(20度台)ぐらいまでは目指せるので、諦めてはいけません。
この方はそろそろ杖を使い始めようか、というぐらいの状態でしたが、それも外反母趾がその始まり。
外反母趾の本当の問題は痛みや見た目より、このように「自分の足で最後まで歩けるか」ということなのです。
内反小趾(10度~)
最後に、この写真で母趾角度は5度、正常値です。
これぐらいの状態でやっとまともな足の状態ですが、この方は違うところに問題が出ています。
それは小指側、この方は小趾角度が16度。
小指側は10度を超えると「小指側の外反母趾」の「内反小趾」と呼ばれるものになります。
実際にこの方は、小指の付け根やかかとにちょくちょく痛みが出る、ということでお越しになりました。
気づくのは、早ければ早いほど良い
いかがでしょうか?
実際の写真を見てみると、「え、これぐらいでもう外反母趾なんだ!」と驚かれたのではないでしょうか?
しかしもしあなたがどうやら外反母趾だっとしても、悲観することはありません。
なぜならまずは、気づかなかったより気づいた方が、今後にとっては確実にプラスだからです。
その状態を改善すれば、あなたが外反母趾が原因だと気づいてなかったような症状が、一緒に改善されていくので、それはいわばあなたの「伸びしろ」ということ。
そして外反母趾は、早く改善に手をつければつけるほど、改善は容易だからです。
では、外反母趾はどうすれば改善できるのでしょうか?
どうやって治すのか
外反母趾を改善しようと思って、多くの方が外を向いた足の親指を広げることを考え勝ちです。
しかし実は、これは外反母趾が逆に悪化してしまう、やってはいけない改善法。
それはなぜでしょうか。
足指を広げても、外反母趾は治らない
まずはこちらをご覧ください。
真ん中が外反母趾ですが、外反母趾とは親指の付け根が横に広がった結果、親指の先が外を向いた病気。
ということは、改善すべきは親指の先の向きではなく、親指の付け根の位置のはず。
なのに親指の付け根の位置も改善せず、指先だけを広げてしまうと、右の絵のような状態になってしまいます。
本来は左の絵の様に治したいのに、右の絵の状態では、治ったとは言えません。
実際に左の絵の状態にしてしまうと、足の横幅は伸びて広がったまま。
なので骨格が広がって緩んだ不安定な状態は続きますし、幅は変わっていないので靴選びも依然難しいままです。
では、左の絵の様な足には、どうやったら治せるのでしょうか?
足の横幅が小さく締まる、正しい外反母趾の治り方
私の治療院では、先ほどの左の絵の様な横幅が締まってた結果、外反母趾が治るという方が続出しています。
実際の例をお見せしましょう。
この方の場合は、左足は中程度後半だった外反母趾が、約4か月後には正常値一歩手前まで改善しています。足の横幅も1センチ以上も小さくなっています。
この方は80歳を超える女性。時間はかかっていますが、それでもやはり中程度後半の外反母趾が、正常値手前まで改善しています。
横幅もどちらも5ミリ前後締まって小さくなっています。
どうやってこの結果を実現したかというと、それはお二人の「歩き方を改善した」というだけのこと。
私は足の指には触れてすらいないのです。
外反母趾の原因は、あなたの良くない歩き方
なぜ歩き方を改善しただけで外反母趾も改善するかというと、答えは簡単。
外反母趾の原因は、あなたの良くない歩き方だからです。
世界には足の医療に力を入れている国々があり、そのような国では足の専門医が活躍しています。
それらの専門医の中では、外反母趾は「過剰回内(オーバープロネーション)」という、よくない足の使い方・歩き方が原因だと、すでに広く知られています。
歩き方が原因ということは、歩き方を正せば外反母趾か改善するのは、半ば当たり前。
なので先ほどのような例は、公開許可をいただいているものだけで1000例以上もあり、私どもにとっては珍しくないのです。
どんな歩き方をすればよいのか(動画)
具体的にはどんな歩き方をすれば良いのでしょうか?
まずはその場で行進をするように、足踏みをしてみてください。
そしてその動きのまま、ゆっくり前に出てみてください。
いつもよりももを持ち上げるような、この歩き方でOKです。
「本当にこれだけで?」
「一般的に良いと言われている歩き方と、全然違うけど?」
よく言われますが、大丈夫です(笑)
私は治療の現場でもこれで成果を出していますし、足の骨格の仕組みから見てもこれで正解です。
何故この歩き方で、軽度の外反母趾は治るのか?
この歩き方は足指よりも、かかとをメインにして歩く仕組み。
外反母趾の方には、これが大きなポイントになります。
「足指を使わないから外反母趾になっている」と思っている方も多いようですが、そうではありません。
もしそれがその通りで、足指を鍛えれば治るのであれば、足指を酷使するハイヒールは、外反母趾に効果的なはず。
しかし、そうではないですよね。
体を横から見ればすぐにわかりますが、体の真下はかかと。
なので歩くときにもかかとを中心に歩くのが、骨格の構造上も自然で負担がないのです。
では足の前部分、指やつま先あたりを使うのはどんな場面か?
それは主にスピードを上げる時。具体的には走る時など。
そんな場合はつま先の方で地面をけることが必要になります。
しかし歩くときには、それは過剰な動作。
実はこれも、外反母趾を作る原因の一つなのです。
なので外反母趾になっている方は、知らずのうちに「走る姿勢で歩いている」「走る動きで歩いている」とも言えるのです。
まとめ
外反母趾は早く気付き、早く改善に手を付けるのが重要。
そうすれば手術など必要とせず、十分改善は可能です。
そのためにもセルフの検査などをぜひやってみていただきたいのですが、それすらもためらいがある方は、まずはこのページの写真と見比べてみてください。
もしあなたの足が外反母趾の疑いありなら、早く気付けた今がチャンスということです。
外反母趾は良くない歩き方が原因だと、足の医療の先進国ではすでに明らか。
このページにある歩き方を取りいれることで、改善への一歩を踏み出してみましょう。