外反母趾の方にお勧めの靴はスニーカー。これは基本です。
そうはいっても女性は特にお仕事の関係上やフォーマルな場、またはファッションなどで、スニーカーではダメなこともありますよね。
なので今回は外反母趾の専門家から見た、外反母趾の方のためのパンプスの選び方や、お勧めのパンプスをお伝えします。
外反母趾の方にオススメのパンプス、それはパンプス用インソール
外反母趾の方に「良い」と言えるレベルのパンプスは、私の知る限り今のところ見当たりません。
せいぜい負担がいくらか少ない、といったものがあるぐらい。
ならばパンプス自体は自由に選び、そこにインソールを入れるというのが、最もベターな選択です。
外反母趾の発生の仕組みを考慮して作られた、パンプス用のインソールがあります。
外反母趾改善の専門家としては、それをお勧めします。
スーパーフィート「イージーフィット」シリーズ
インパクトトレーディング社から出ているインソールシリーズ「スーパーフィート」は、足の医療の先進国アメリカの、足病医が生み出したインソール。
外反母趾の原因となる足の動きを、抑制する仕掛けが施されています。
そして実はそのシリーズの中に、パンプス用もあるのです。
かかとの高さが2.5センチまでのパンプスに対応しているのが「イージーフィット ウィメンズフラット」。
かかとの高さが2.5センチから7センチまでに対応しているのが「イージーフィット ハイヒール」です。
本来パンプスという靴はスニーカーなどに比べ、基本的にファッション性重視のデザインです。
それを機能的に補っているのはもちろん、その力は外反母趾になる歩き方の補正にまで及んでいます。
なので使った方は口々に「ビックリするぐらい楽」「すごく安定する」と仰います。
これらインソールの入るデザインであればどれにでも使えるので、一つ持っておくと使い回しが利き、すごく便利ですね。
靴を買うときに「この靴は外反母趾にどうだろう、、、」と気にして選ばなくても良くなります。
外反母趾の方が専用インソール以外で選ぶなら、このパンプス
外反母趾改善の専門家としては、スーパーフィートのインソール使用が最もお勧めです。
しかしこのインソールは、歩き方を補正してくれるほど高性能であるものの、それに対するデメリットもあります。
それは良くない歩き方のまま使用すると、歩きにくいと感じる方もおられるということ。
外反母趾は、「あなたの良くない歩き方」が原因で発生しています。
それを改善することが、外反母趾の改善にもつながります。
スーパーフィートのインソールはそこまでやってくれるものの、あなたがあなたの歩き方のままを押し通そうとすると、そこにちょっとした違和感が出てくる場合もある、ということです。
これが出るか出ないかは、あなたの歩き方の癖がどれほどなのかにもよるので、一概には言えません。
そういうことも考えると、次善の選択肢としては「外反母趾を補正するほどではないが、負担を減らすことのできるパンプス」も考慮に入れておくとよいでしょう。
ワコール「サクセスウォーク」
まずフォーマルシューズ系では、ワコールの「サクセスウォーク」シリーズがお勧め。
このパンプスはかかとは高いものの、ヒールの位置に工夫がしてあります。
その工夫とは、通常のパンプスの様にヒールは一番後ろではなく、もう少し前に作ってあること。
これにより、かかと部分にの傾斜がいきなり始まるのではなく、少し平らなかかとを乗せる台のようなものがある形状になっています。
この工夫のおかげでかかとに高さはあるものの、比較的「前のめりにならず歩きやすい構造」にはなっているのです。
どうしてもかかとの高い靴が欲しい外反母趾の方にとっては、うれしい一足です。
DANSKO
「デンマークの靴」という意味のシューズブランド「DANSKO」は、もう少しカジュアルなデザインが多いブランドです。
先の広いクロックスのようなデザインが特徴ですが、もう少し一般的な形のパンプスのシリーズも、ラインナップにあります。
アメリカのブランドですが、アメリカでは医療系の現場で働く方の靴として有名。
アメリカ足病医学協会(APMA)に公式に認証されているほど、足の健康に配慮した靴を作っています。
外反母趾の方が避けたい、パンプスの特徴
では逆に、できるだけ避けるべきパンプスの特徴もお伝えしておきます。
もちろんインソールを使用するにしても、サクセスウォークやDANSKOの靴を選ぶにしても、ここで述べる原則を考慮して選ぶべきです。
かかとの高いもの
これが外反母趾の方が靴を選ぶ時の、一番重要なポイント。
できるだけかかとに高さが無く、フラットに近いソールを選ぶことです。
かかとが高くなればなるほど、体重が前にかかり、つま先を含めた足の前部分(前足部)で歩かなければいけないことになってしまいます。
これは外反母趾の患部にダメージが大きいので、出来る限りかかとの高さの無い靴を選びましょう。
もしもあなたがすでに、少しかかとに高さがある位の方が歩きやすい、と感じているようであれば、体の調子はおかしくなってしまっています。
具体的には体の重心が前にずれ込んでしまっているはず。
いち早く修正することが必要です。
甲の部分が浅いデザイン
靴は歩く時に、足をホールドし歩行を安定させる役割も果たしています。
なのでできるだけ足全体が包まれているものの方が、足はより安定しやすくなります。
甲や縁の浅いデザインの靴は、それだけ安定がしにくくなってしまいますので、できるだけ足の甲が覆われているタイプの靴を選ぶ方が良いでしょう。
先の尖っているデザイン
先の尖った形のせいで、それがそのまま外反母趾になるわけではありません。
しかし先が尖っていると、それだけ足の指は自然ではない無理のある状態になります。
外反母趾の方であればあるほど、ダメージを減らすためにも改善のためにも、できるだけ自然な足の状態で歩きたいもの。
なので靴先はできるだけ、尖っていないものを選ぶ方が良いでしょう。
かかとの高い靴が、外反母趾に悪い本当の理由
この中で特に重要なのはかかとの高さで、靴の選びの問題としてはこれが最も外反母趾に悪影響を与えます。
ハイヒールは外反母趾に良くないのは間違いありません。
しかしその先の尖った形のせいで、外反母趾になっているわけではないのです。
実はより問題なのは、そのかかとの高さ。
先ほどもお伝えしましたが、かかとが高いと言う事は、重心は必ずその分前に行きます。
そして前足部中心で歩くことに。
そしてそれが外反母趾を悪化させる大きな要因の一つなのです。
人間の歩き方の基本は、かかと中心
人間は本来、歩くときにはかかとに体重をかけ、かかとメインで歩くもの。
それが自然であることは、人間の体を横から見れば踵が体の真下であることからも、ご理解いただけるでしょう。
かかとを軸にして、かかとに体重をかけて歩くのが歩き方の基本なこともあり、昔から歩くことを「踵(きびす)を踏む」「踵(きびす)を返す」などというのです。
ということで、歩き方の基本から考えても、外反母趾から考えても、ラインナップの中でできる限り踵の低い靴を選ぶ、というのが最も重要なポイントと言えます。
まとめ
外反母趾の方も、パンプスを履きたい場面や、履かなくてはいけない場面はあるでしょう。
そんなときに役立つのが、パンプス用のインソール。
スーパーフィートシリーズのパンプス用インソールは、非常に効果が高く、とても便利に使えます。
またシューズブランドとしてはワコールの「サクセスウォーク」や「DANSKO」などは、比較的負担が少ないパンプスではあります。
もしそれ以外の靴を選ぶとしても、「外反母趾の方にオススメ」などの名前に惑わされず、このページで挙げたような基準で、しっかり選びたいものです。
しかし最後にご注意いただきたいのは、スーパーフィートのインソールを入れたからといって、無条件に足に負担が無くなるわけではありません。
サクセスウォークにしても、スーパーフィートのインソールにしても、かかとに乗れる台はできても、そこに乗って歩くか、今まで通り前足部に乗って歩くかは自分次第。
それはそれとしてやはり、かかとを中心で歩く習慣を身に着ける(取り戻す)必要はあるのです。
しかしきちんと使いこなせれば、女性にとっては強い味方になるのは間違いありませんよ。