外反母趾とは4

「バニオン」とは何のことか。外反母趾との関係は?

外反母趾のことを調べていると、「バニオン」という言葉を目にすることがあります。

バニオンって何なのか?、私の外反母趾はバニオンなのか?、バニオンだとすれば何かしなくてはいけないのか?

医療用語というのは専門的でわかりにくいので、そんな感じで不安に思っておられる方もおられるでしょう。

患者さん
患者さん
そうなんですよ!、私も良くわからないけど気になっていて、、、
中島先生
中島先生
そうですね、よく理解できないと不安ですよね。ただの専門用語ですが、知っておくにこしたことはないでしょう。

このページではバニオンとは何のことで、それに対してどうすればよいのかを詳しくお伝えしていきます。

外反母趾とはどんな状態のことか

まず外反母趾とは、親指の付け根辺りが横に広がり、出っ張ってしまった状態。

痛みは出ない方もおられます(痛みは無くても、その影響はあちこちに出ているので要注意です)

あなたが外反母趾かどうか、またその程度については以下の様なチェックでわかります。

外反母趾の基準とセルフチェック

バニオンとはどんな状態のことか?

「バニオン」とは端的に言えば、足の側面が腫れている状態のこと。

外反母趾を患っている方は、親指の付け根辺りが外に張り出して、足の横幅が伸びた状態になっています。

その出っ張った部分の腫れのことを指して「バニオン」と呼ぶのです。

この出っ張りは親指付け根の骨が横に広がっていること、そこに負担がかかることで関節が腫れて、それ自体が大きくなってしまったことで起こっています。

小指側に起こることもあり、そちらは「テーラーズ(仕立て屋の)バニオン」と呼ばれることがあります。

昔は仕立て屋さんに多かった症状らしく、仕事のフォームがそうなりやすかったようです。

バニオンだったとして、どうするか?

バニオンとは要するに「腫れ」のことであれば、外反母趾の方のほとんどはバニオンを発症していると言って構わないでしょう。

ではあなたの外反母趾がバニオン併発だったとして、どうするのか?

腫れているなら冷やしたり、当たりをやわらげるパッドなんかを貼ったりして、それを緩和させようと思う方もおられるでしょう。

単なる打ち身や捻挫なら、それが最も重要とも言えます。

外反母趾のバニオンに対しても、それは一定の効果が無くはないのですが、しかしそれよりもっと重要なことがあるのです

それは「なぜ腫れが続くのか」という原因に対しての対策を取ること。

腫れるということは、腫れるだけの原因があるはず。

そして打ち身でも捻挫でも、本来「腫れ」は時間がたてば引いていくはずのもの。

にもかかわらず腫れ「続けている」ということは、その原因は一過性ではなく今も続いているということになります。

これが打ち身や捻挫の腫れとの、大きな違いと言えます。

ということは外反母趾での腫れる原因は、あなたが毎日日常的にやっていることの中にある、ということになります。

なので冷やしたりパッドを貼ったりでは、いつまでたっても変わらないし、それは終わらないのです。

外反母趾のバニオン(腫れ)の原因とは

他のサイトなどにはその原因を、「患部に負担をかけているから」「その個所にストレスがかかっているから」と書いていたりします。

しかし私は、これでは一見それらしく説明しているようで、説明になっていないと思っています。

なぜなら、腫れるということはそこに負担がかかっていることぐらい、誰でも想像はつきます。

知りたいのはその「負担」「ストレスの原因」が何か、ということ。

それを説明できないのは、「知らない」と言っているのと同じこと。

この「説明しているようでしていない説明」というのはよくあって、例えば肩こりの方への「血流が悪くなっているから」とか、足がむくむ方への「リンパが詰まっているから」というような説明。

こんな説明を聞くと私は関西人なので「いやいやいや、その血流が悪くなる原因を聞いてるねん」と突っ込みたくなります。

だから血流やリンパを流しましょう、ではないんです。

それこそ、「終わりのない対処療法」の始まり。

そもそも人体は、血流もリンパも流れるもののはずなんです。

それを滞らせている「何か」を解消することこそが根本的な解決で、それを求めているんです。

なのでそれを解決したら、もうその状態にならなくなる何か、それが本当の原因です。

バニオンも含めた外反母趾の原因、そこに負担をかけている何か、それは実は明らかになっています。

それは実はあなたの良くない歩き方

鋭い方は薄々気づいていたかもしれませんね。

実はこのことは足の医療の進んだ国では、具体的には過剰回内(オーバープロネーション)というよくない足の使い方のせいだと、すでに明らかになっていることです。

外反母趾やバニオン(腫れ)は、本当に歩き方で解消するのか?

巷では外反母趾の主原因は「ハイヒール」のせいだとか、「遺伝」だとか、「足指の退化」だとか言われることが多いです。

しかしもしそうなら、それを止めれば良くなるはず。

遺伝に関しても、生まれた状態以上は進行しないはず。

でもそうではないことから、それらが関係はあるが正しくはないということがわかります。

外反母趾やバニオン(腫れ)の原因は、良くない歩き方。

それは医学理論的にはもちろん、私は実際の治療の現場でも確認してきた事実です。

なぜなら、歩き方を改善した方は、皆さんバニオン(腫れ)も外反母趾も改善しておられるから。

いくつか例を挙げてみます。

これらの記録は、多くの大学病院でも使用している「フットルック」という計測器を使った、信頼性の高いものです。

この方の場合は、左足は中程度後半だった外反母趾が、約4か月後には正常値一歩手前まで改善しています。足の横幅も1センチ以上も小さくなっています。

この方は80歳を超える女性。時間はかかっていますが、それでもやはり中程度後半の外反母趾が、正常値手前まで改善しています。

これらの改善は、基本的に歩き方の改善でもたらされたもの。

マッサージはおろか、足の指には一切触れてはおりません。

そしてこのような例は、公開許可をいただいているものだけで1000例以上もあり、私どもにとっては珍しくないのです。

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まとめ

バニオンとは外反母趾(内反小趾)患部の「腫れ」のこと。

しかし腫れだからといて、打ち身の様に冷やして解決するものでもありません。

その原因となっているものがあり続ける限り、冷やすことでは終わりはやってこないのです。

その原因とは、あなたの良くない歩き方

患部に負担をかけるまずい歩き方を改善することで、初めて根本的な解決につながるのです。

スマホやタブレットのカメラ機能で、外反母趾の角度を測定できる無料WEBサービスを提供しています。宜しければご活用ください。

 

ABOUT ME
中島武志
中島武志
外反母趾改善の専門家。アメリカ足病医学をベースとした歩法”ゆるかかと歩き”で外反母趾を大幅改善。公開許可のある改善症例1000例以上(2019年5月現在)。北は北海道から南は福岡まで、その歩行指導メソッドを全国の治療家が続々と導入中。ネイティブウォーキング協会代表理事。